免責事項:「ワンピース」は尾田栄一郎の作品です。
ある人から面白い話を聞いた。
グランドラインしか存在しない、とても不思議な雲かある。色はともかく、雲がとても低く、手に触れるほど近かった。触れると、それは世にも無い、とても気持ちい手触りだ。洗い立ての布団でも勝てるほどの柔らかさだと。その雲の名は「愉快雲」か「快楽雲」かはもう忘れた。でも、もし目撃すると、とても幸せな気持ちになる。
おれは実際まだ見たこともないし、触ってもない。話を聞いただけだ。
-.-.-
ある日、おれとフルィがたった二人っきりで航海していたとき、この「不思議雲伝説」をふっと思い出した。海の景色にも見飽きてて、とうとう食料もなくなってた頃だった。食い物しか考えてなかったおれの頭がなぜかあの記憶をよみがえらせた。多分、空をばっか見てたせいだろう。
「なぁルフィ。知ってるか?」
「んにゃ?」
「グランドラインでさ、不思議な雲があるんだぜ」
「不思議雲?なんだそりゃ?食べれるのか?」語った後、ルフィとおれの腹がグーっと鳴った。
「さぁ、あんまり知らねぇけどよ、なんか魔法とか何とか出るって聞いたぜ」
「なに?魔法?」ルフィの目が宝石のように光ってた。「すっげー!」口からよだれが滝のように流れ始めた。「じゃ、願いを叶うやつかな?あーあ、あの雲があれば、絶対肉を頼むけどな・・・」ため息を吐くルフィの姿を見ていたおれはなぜか心に響いた。
どんな不思議な雲なんだろう。一応、雲の見つけ方は聞いた。意外と簡単、でも難しい方法だ。その一、欲望を持たないこと。その二、正直な心を持つこと。おれは別に世界一の大剣豪以外に特にほかの夢は持ってねぇ、だから簡単だ。二は、まぁ、ルフィがいる限り、これも問題は無ぇ。なぜルフィに「雲を見つける方法」を教えなかったかって?あいつのことだから、すぐ欲望を持ってしまうだろう。だから言わなかった。
一度でもいい、あの雲を見つけたら、おれはルフィに見せてやりたい。
-.-.-
あの日から結構月日が過ぎた。仲間も結構増えたし、船も大きくなった。毎日いろんな事件とか騒ぎがあって結構楽しい。おれはほとんど寝てるけど。あの頃の小さな約束を忘れかけてた頃フルィがみんなも前で発言した。
「不思議な雲?」ウソップが頭をかしげながら聞いた。「そんなの実際するか?」
「するよ!なぁ、ゾロ?」ルフィがおれのほうに向いた。
「お、おう」
「え~?ゾロが言ったの?へぇ、結構メルヘン的なことも言うんだね。」ナミが感心してた。
「べ、べつに良いだろう!」
「でも、魔法の雲か・・・」
「おれだったら、肉!」
「いやよ!あたしだったらやっぱり・・・百万ベリーかな?いや、一億」
「おれだったら、世界中の美女かな?」
「け、アホらしい」
「んだと、コラ!」
「うるさいわよあんたたち!喧嘩は外でやって!」おれはべつにコックと喧嘩したくなかったけどおれは外を出た。今日一日吹雪が吹いてて、みんな部屋の中にこもっていた。ずっと中にいたから息苦しくなってた。やっと風も収まり、月が窓から見えてきたから脱出した。
ドアを開けたら、真正面が雪。ダンベルを外でほったらかしにしてしまった。舌打ちしながら、階段を下りた。
目の前に突然紫色になった。呆然と立ってたおれは周りを見渡した。船全体にこの紫色の物体に包まれてた。空気がとても温かくって、気持ちいい。噛み付くほどの寒い風はいつの間にか消えてた。はっと気づいて、このふわふわした物体を触った。触ったことも無い感触だった。
「ルフィ!」おれは呼んだ。「ちょっと外へ来い!」
何、何っと言いながらみんな外へ出た。最初みんなキョロキョロしながら空を見てた。一番に気づいたのはやっぱり、おれの船長。
「あー!不思議雲だ!」
「何!じゃ、これが!」
「うわぁ、本当だ!気持ちいい~」ルフィは歌う口調で言った。
「んん!柔らか~い~」チョッパーが雲をなでながら叫んだ。
「待て!という事は、」ナミが手を差し伸べて、大声に願った。「百万ベリー!降って来なさい!」
「降るか!」
「絶対よ、じゃなきゃ素敵な雲と呼べないわ。」
「いやいや、素敵じゃなくって、不思議・・・」といっている先に、何か降ってきました。
「来た来た!」ナミの顔に笑顔満開。でも、その笑顔がしおれ始めた。「な、なによこれ!」
「わーい!飴だ!」ルフィが急いで階段を下りて、ゴムゴムの飴で手の平にいっぱいの飴を集めた。おれは上を向いて、ルフィが取れなかった飴を地面に落ちる前に取った。飴玉はちゃんときれいな紙で包んでた。七色の種類の紙、そして、その中に一粒一粒、七色の味。飴はとても甘くって、口の中にとろけた。一つ一つ違う味なのに、ルフィは五十個から百個の飴玉をいっぺんに食ってた。あいつのほっぺはまるでリスだぜ。ナミは最初はがっかりしてたけど、すぐに立ち直り、仲間と一緒に飴を食べてた。
何のヘンテツも無い雲だったけど、噂どうり幸せな気分になったぜ。
終わり
