タイトルは:裏の絆
裏というのは、ナルトの漫画のシリーズにつながってる話ですが、裏話と言うわけで、あのクラスでカカシ班に
なってから絆が生まれたのではなく、それについての裏話という事でこのタイトルにしました。
実は'絆'というタイトルだったのですが、そのあとすぐにナルトの映画'絆'がでたので、すこし変えました
あらすじ:
最初のプロローグにはサスケは出てきませんが(すいません)、この小説の設定はナルトとサスケの子供の頃の話で、出会った時の事とか、二人の友情の話です。もっと前から出会っていて、信頼や友情がどう強まり、引きちぎられ、あのカカシ班に入るにのまでのナルトとサスケの関係があったのかを教える、絆の深い裏話です。
裏の絆~1~
―プロローグ-
『なんでかはしらない…
でもきづいたらだれもがオレをきらっていた…
だれもがオレをさける…
こどもも、おとなも…』
忍者アカデミーに入学したオレは、同い年の新しい人達と出会った。
誰もオレのことを知らないし、オレも誰も知らない。
笑顔で人と 接したら、誰もが友達になってくれた。
当たり前のように自分の鉛筆や消しゴムを貸したりして、ここでなら誰もオレを避けたりしない、悲しまなくてすむと思った。
そう…思いたかった。
でもどうしても気になる…気づいてしまう…
他の大人達と同じ、オレに対する先生の視線。
…まり先生の視線。
その視線には哀れみと、何か別のものが感じられた…
オレだけに…
この別なもの… なんだろう?
次の日、オレに寄ってくる人が減ってた。
そしてあの冷たい視線。
まり先生と同じ…
みんなと同じ…
オレが何したって言うんだよ?
何も悪いことはしていないのに…
誰にも迷惑はかけていないのに…
三日目には誰も近寄ってこなかった。
泣きたいと思う気持ちが押し寄せてきたけど、オレは女の子じゃないから、泣かなかった。
かわりにいつもの笑顔で、学校を楽しんでいるかのようにみせた。
そしてだんだんとひとりぼっちになっていった。
昼間は木に登って、太い枝に寝ころんで空を見上げた。
どの子もオレに近づこうとはしなかった。
オレはここにいる。
まだ六歳になったばかりだ。
でも誰もこんなオレを気にかけてくれる人はいなかった。
当然のようにオレは無視されつづけた…
夕方は一人で村を散歩する。
誰もがオレと距離を取る。
オレが危ない子かのように…
何週間かたったある日、クラスの男の子がオレに消しゴムをか借りにきた。
笑顔で貸してあげたオレは気分が晴れた。
他のみんなは友達としゃべっていて、誰もオレ達のことには気づいていなかった。
そしてそれはオレにとっていいことだった。
いいことだと…思っていた。
もし誰かが見てたらこの男の子を止めていたはず。
消しゴムを返しにきた男の子はオレの目の前 で、粉々になった消しゴムを机に散らした。…いやがらせ。
ゆるせなかった。
その粉々になった消しゴムを手にいっぱい取り、笑ってるその男の子の顔に思いっきり投げつけた。
オレをバカにしてるその顔を早く消したい一心で。
オレの目には怒りの涙が溜まりだした。
投げたときに出した大声のせいで、オレはみんなの注目を集めてた。
静まりかえった教室ではオレの荒い息だけが響き渡る。
「なにすんだよ!」口の中に入った消しゴムを吐きながら男の子は叫んだ。
「「なにするんだ」はこっちのセリフだ!なんでこんなことするんだよ!?」
オレは男の子の胸ぐらを掴み、叫び返した。
その時、まり先生は待っていたかのようにすぐオレ達の間に入り、オレ達 を引きはなした。
それで怒られたのはオレだけ。
その男の子は無実だと。
あやまるようにと言われたのは…オレだけ。
無実なのはオレのほうだ。
オレのほうなのに…
「まりセンセー…オレちょっとトイレ行ってくる」
静かにそう呟やくと 、オレはその場を離れた。
当然オレはあやまりなどしなかった。
オレは悪いことなんてしていない…
オレはなにも悪くない…
あやまらなきゃいけないことなんて…なにもしてない!
男子トイレについたオレは手を洗った。
そんなことぐらいしかすることはなかった。
そんなことしたいわけではなかったし、そんなことをするために行ったわけじゃない。
だけど、何かをしていないとそのうち泣き出して止まらなくなる。
もしくは怒りを抑えきれなくて何かを蹴り、殴り、壊わし、割ったりしてしまいそうな気がする。
オレは自分の顔を映す鏡を見つめた。
自然の美しさそのものかのように輝く青い瞳 は、悲しい、孤独な色が宿っていた。
この目がヘンなのか?
いや、ちがう…
もっと上を見た。
太陽のような金髪 は天然で 跳ね上がっていた。
この髪の毛がおかしいのか?
ちがう…
視線を下にずらし、両方の頬にある妙な三つの線を見た。
オレは溜息をつき、自分の顔から目をそらした。
クラスに帰る間、オレは手を白いTシャツでふき、小さな濡れた跡をつけた。
クラスに足をふみ入れる直前まり先生の声が廊下に響き、オレはドアの後ろに隠 れて耳をすました。
誰もオレに気づかなかった。
「あの子はみんなと少し違うの」
まり先生はそう言った。
―なにがどうちがうんだ…?
「そしてみんなのお父さんやお母さんがあの子には近づかないようにと言ってるのも知ってる。」
ドクン。
胸がいつものように苦しくなってきた…
―どういういみ?なんでみんなオレのことしってんだよ…?
「そして先生からもそう頼んだ。だからちゃんとその約束を守ってほしい。何事も起きてほしくないの。みんなも分かるでしょう?」
心が張り裂けそうだった。
知らないうちに俺は俯いて、ドアの前に立っていた。
まり先生はオレに気づき、オレが話を聞いてしまったことに気づいた。
まり先生の顔がすっと青ざめた。
まり先生が何かを言おうと口を開けた途端、オレは逃げた。
オレは振り向かずに、全力で走った。
何も聞きたくなかった。
もう… 何も。
涙が零れ落ちるのを感じたけど、拭く余裕もなく、ただ走りつづけた。できるだけ遠くにと…走った。
オレは…なんのために生きてるんだ…?
自分にそんな難しい質問をしても、答えが出るはずなんてなかった。
なんでそんな質問を自分にしたことも分からない。
うずまきナルト…
たった六歳の子供が、世界をまだ知らない子供が、すでにこんな苦しみを感じ、苦しい感情を抱いていた。
彼の心には、誰にも癒せない程の深い傷を負っていた。
周りの人達に刻まれ続けたこの心の傷を癒そうとしたのは…
