Title :レゴチョコケーキ
Author:ちきー
DATE:2007/05/13
Series:Death Note
Rating:PG-13
Character:オリジナルキャラクター(Lと月の息子)、ニア、メロ、マット
Warning:OOC-ness
prequel:紡ぐもの
Disclaimer:
ここに登場しているキャラクターの著作権はすべて集英社及び、小畑、大場両先生にあります。作者は楽しみたいだけであり、著作権を侵害するものではありません。また、この作品で利益を得るものでもありません。
Summary:
パパの誕生日プレゼントに悩むキラの相談相手は?ほんのりマトメロ風味。
「ニアちゃん、いるー?ニィーアァーちゃーんー」
サイコロを積み上げる手はそのままに通信を繋げた。
「名前を伸ばさないでくれませんか、キラ」
「いるなら早く出てよ」
通信の先で拗ねた子供がどんな顔をしているか容易に想像できた。
「何の用ですか?」
「あのさー、もうすぐパパの誕生日なの」
「はぁ」
「何をプレゼントしたら喜ぶと思う?」
「知りませんよ、そんな事」
「ニアちゃんの意地悪!もういいよ、せっかく聞いたのに!」
通信を切ろうとする気配に急いで答えた。これでも可愛い名付け子なのだ。遊びに行った時、無視されメロだけに懐かれるのも面白くない。
「レゴの新作」
答えと共にサイコロを積んだつもりが、手元が狂ってサイコロの尖塔がざぁと音を立て崩れ始めた。
「それはニアちゃんが欲しいものでしょ。僕はパパのプレゼントを聞いてるの。ちゃんと答えてよね」
しゃがんでいた自分より高く積んであったサイコロが、ばらばらと頭に降り注ぐ。小さいサイコロとは言え、角が当たれば結構痛い。証拠品の分析を待つ時間が発生したので、大作に挑んだのだが、それがただのサイコロの山に変わる。
「なら、誕生日の夜にライトさん達の部屋に行かないことですね」
キラのせいではないと分かっているが、言葉に棘が出る。ついでにまだキラには判らない答えを返したが、L達にばれたら拙いかもしれない。まぁ、口止めでもしておけばいいか。
「そんなのがプレゼント?」
「大人にとっては一番喜ぶプレゼントですよ。ライトさんだけじゃなくLも喜びます」
「ダディも喜ぶの?」
「えぇ、Lは寝室でライトさんにスペシャルなプレゼントをするでしょうから」
「えー、パパもダディも喜ぶプレゼントなら僕も見たいんだけど。僕が居たら駄目?」
「駄目ですよ、キラにはまだ早いです。それから、スペシャルなプレゼントの事は内緒ですよ」
「どうして?」
「プレゼントだからです。キラもプレゼントは秘密にしたいでしょう?Lも同じです。ライトさんに秘密にしておきたいでしょうから」
「ふぅん、分かった。ありがと、ニアちゃん。じゃあね、また遊びに来てね」
通信が切れるとサイコロの山から抜け出して、気晴らしにラウドにでも当たろうかと通信を繋げた。
「メロちゃんー」
「キラか?どうした?」
テーブルの上にあった缶を引き寄せ、灰を中に落とした。
「あのさー、もうすぐパパの誕生日なの。プレゼントってどうしたらいいと思う?」
「はぁ、ライトの?」
「ニアちゃんは、僕が夜にパパ達の部屋に行かないのがプレゼントだって」
「…ニアの奴」
「でもさー、そうすると僕が何もあげないことになるから、どうしようかと思ってメロちゃんに聞いたの」
「チョコは?」
ストックしてあったチョコは何処にしまったか。ざっと部屋を見渡しても見つけられなかったので、キッチンに移動した。
「それはメロちゃんの欲しいものでしょ。もう!ニアちゃんもメロちゃんも同じ事を言わないでよね」
「げっ、ニアと一緒かよ。あー、キラは金持ってない、よな。まだガキだもんな。じゃあ、ケーキとか焼いてやれば?誕生日だしちょうどいいんじゃねぇの」
「もうガキじゃないよ!でも、ケーキはいいね」
「オーブンを使うだろうから、絶対ワタリに手伝わせるんだぞ」
肩に携帯を挟み通話を続けながら、棚から見つけたチョコの包み紙を剥がす。
「分かってるよ。ありがと、メロちゃん、大好き!」
「あぁ、俺も好きだよ。じゃあな」
「うん、また遊びに来てね」
切れた通話に携帯を閉じる。可愛い名付け子に大好きと言われるのは悪くない。キッチンから出てくると、思わず緩んでいた顔をマットがニヤニヤ笑う。
「黙ってろ」
含みがある顔を睨み付ければ、手が伸びてきて銜えたままのタバコを取られた。灰がカーペットに散る。
「黙らせれば?」
マットを黙らせた。
END
