Title :ボディピアス
Author:ちきー
DATE:2007/10/02
Series:Death Note
Rating:NC-17+
Category:AU
Paring:L/Light
Warning:slash,Sexual Situations
Archive:Yes
Disclaimer:
ここに登場しているキャラクターの著作権はすべて集英社及び、小畑、大場両先生にあります。作者は楽しみたいだけであり、著作権を侵害するものではありません。また、この作品で利益を得るものでもありません。
Summary:
月のささいな異変に気づいたLが見つけたものは、ボディピアスだった。月の清潔な容姿と官能的なボディピアスにLは深く傾倒していきます。
AN:
サイト公開時、1と2で分けられていた話を纏めました。
「こんにちは」
「いらっしゃい、月君!」
読んでいた資料から少し視線を上げ、捜査本部代わりのホテルの一室に来た月を見た。視線の先には、何をやらせても使えないので紅茶を淹れに行かせた松田と話をしていた。
「これ、お土産です。皆さんでどうぞ」
ビニール袋に入れられた小ぶりの箱を掲げて見せていた。袋から透けて見えるのは和菓子の包み。以前、ろくに外に出れない捜査官を気遣って、月が桜餅を持ってきたことがある。その時と同じ包みだった。
「あー!!それって、もしかして桜餅?嬉しいな~、この間は竜崎に全部食べられちゃって、僕は食べられなかったんだ~」
「そう言ってましたからね、今日は多めに買ってきました。桜餅だけじゃなく、柏餅も。松田さんがこんなに和菓子がお好きだとは知りませんでしたよ」
「僕、おばあちゃん子でね~。和菓子で育ったんだ」
「松田さんはそんな感じですよね。お年寄りにもてるでしょう?」
「そうそう!僕としてはお年寄りよりも、もっと若い人に好かれたいんだけどねー」
ちらりと月に視線を流しつつ、間抜けに笑う松田が気に入らない。皮肉の一つでもと口を開きかけたところで、相沢の怒号が飛んだ。
「松田!頼んだ資料はどこだ!」
大声に驚いた松田がびくりと体をひるませた。その拍子に持っていたトレイが傾き、紅茶が月へと跳ねる。
「っ!」
「あぁ、月君!ごめん、ごめんね。大丈夫?」
月が紅茶で濡れた箇所を掴んで、体から引き剥がす。私が見たのは一瞬だが、それで十分だった。
「すみません。ちょっとバスルームを使わせてもらいますね」
シャツを掴んだまま部屋から出て行く月に、松田の謝罪の言葉が追った。
シャツを首から引き抜く。ばさりと乱れた髪を振った月の動きに、明かりに照らされたそれが反射した。
「何時来たんだ?」
「はぁ、貴方がシャツを脱いでいる時にです」
「隙を見て?」
「施錠はされていませんでしたよ」
「それよりも、月君。それは…」
「あぁ、これ。高校の卒業旅行でね、友人たちとワシントンに行ったんだ」
私が言及したそれに月の指が触れる。
「ワシントンへ…」
「うん、そう。航空宇宙博物館に、ホワイト・ハウス。それから、FBI本部で見学ツアーも」
捜査官を幾人も殺したキラがFBI本部を見学ツアー。…たいしたユーモアだ。
「それで、その卒業旅行の間にピアスを?どんな店で穴を開けたのか知りませんが、そう言った店がどの程度の衛生を確保しているかご存知ですか?慎重な貴方らしくありませんね」
「その時、僕達は酔っ払っていたからね」
「貴方が?酔う?それこそ有り得ない」
くすくすと歳相応の顔をして笑う月を眇める。キラがこんな顔をするなんて有り得ない。人殺しは人殺しらしい顔をすべきだ。
「誰だって旅行中は開放的な気分になるものだよ。一緒に行った友人たちにクラブに連れて行かれてね。お酒、飲んじゃった」
「で、酔っ払った勢いでピアスを開けた、と?」
「そう。若気の至りってやつだね。竜崎、父さんに黙っていてくれよ。古い人だからね、きっとまた卒倒しちゃうからさ」
月は上半身裸のまま会話を続けていた。外気に晒された乳首が健気に隆起し、触れてくれと誘っていた。
「竜、崎?…あっ!」
だから、誘われた。私が一歩近づくのを見て体を強張らせた月に、一気に距離を詰める。背をいつもよりも丸め、左の乳首を飾るリングを歯で挟んだ。
「や、め…」
頭に月の手が掛かる。ピアスが引かれ乳首を傷つけられる恐れで、引き剥がそうとする月の手は強くなかった。
背に両手を回し、月を力任せに引き寄せる。口に含んだ乳首を味わうように転がした。
「ふっ…あぁ…」
聞いた事のない甘い、甘い声。
密接した体からは、普段は感じられない彼の匂いが微かに漂う。それは決して不快なものではなく、私に陶然とした酔いを引き起こした。
「ピアスは、これだけですか?」
唾液で濡れた乳首をつるりと撫でた。合わさった月の瞳が欲情で濡れていた。
するりと首には腕が、腰には脚が絡まる。そして、耳には掠れた月の声。
「……もう一つ、別の場所に。どこにあるだろうね、竜崎?」
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