Title :ひいらぎ飾ろう
Author:ちきー
DATE:2006/12/23
Series:Death Note
Rating:PG-13
Category:PWP
Character:Light、L
Warning:slash,Sexual Situations
Archive:Yes
Disclaimer:
ここに登場しているキャラクターの著作権はすべて集英社及び、小畑、大場両先生にあります。作者は楽しみたいだけであり、著作権を侵害するものではありません。また、この作品で利益を得るものでもありません。
Summary:
クリスマスが近づく、捜査本部。落ち着かない竜崎の理由とは・・・。

捜査の間、なんだか妙にそわそわしている手錠の先の男を訝しみつつも、そのままにしておいた。問いただして厄介なことになるのは御免だ。だが、口に指を銜え、何度もこちらを伺ってくるのを無視するのは骨が折れた。

竜崎の妙な行動の理由が分かったのは、捜査が終了し、仕方無しに共有する寝室に入ってからだった。

「あっ、月君、そこに立ちましたね!」

突然言われた意味が分からず、僕は寝室のドアの真下で、嬉々として近寄ってくる竜崎を見ていた。僕から2、3歩離れたところにいた彼は近寄って、近寄って、僕とぶつかる間際まで近寄り、唇にキスをした。

「何をする!?」

キスされた衝撃から立ち直ると、唇を拭って、問いただした。

「月君がひいらぎの下に立っていたものですから」

しれっと言い返された。

ひいらぎ?部屋に入り、ドアの上に飾られたひいらぎを見る。昨日まではなかったはずだ。今日一日竜崎の落ち着きのなさの原因はこれか。ひいらぎの下ではキスをしていいと言う欧米にある習慣。

「竜崎、ここは日本だから、そんな習慣ないから」

「今日からその習慣は適用することにしました」

クリスマスが終わるまで、後12日。少なくとも後24回はキスされる可能性がある。危険だ。早めに対処しなくては。キスだけなら大したことではないのだが、その後の行為に及ぶ危険がある。腰は痛いし、うっかり生でやられるとトイレに篭ることになるし、最中は妙な気分になる。それに、こいつに無理やり引き出され、晒される痴態をねっとりとした視線で見られることが堪らない。

取ってやる。絶対取ってやる。

背後から竜崎が近づき、腰を抱かれた。視線の合った先には、にやりと不適な笑み。

「言い忘れましたが、取ろうとしても無駄ですよ。壁に直接描かせましたから」

腰に置かれた手がシャツの中に潜ってくる。体が竦んだのは、手の冷たさか、胸の果実を摘まれたからか。

「こんなに楽しいクリスマス、私、初めてです」

こんなに最悪なクリスマス、僕、初めてです。

自分のものとは思えない甘い声が漏れ始めるのを聞きながら、これからの12日間を思いやった。

END

*** ***

Title :クリスマスの12日
Author:ちきー
DATE:2007/01/04
Series:Death Note
Rating:R
Category:PWP
Paring:L/月
Warning:slash,Sexual Situations
Archive:Yes
Sequel:ひいらぎかざろう
Disclaimer:
ここに登場しているキャラクターの著作権はすべて集英社及び、小畑、大場両先生にあります。作者は楽しみたいだけであり、著作権を侵害するものではありません。また、この作品で利益を得るものでもありません。
Summary:
「ひいらぎかざろう」の続編になります。ひいらぎの下でのキスを巡る攻防戦の行方は?

あの日から僕の腰は休まることはない。
寝室のドアの真上にひいらぎを描かせ、その下を通る度に習慣を盾に取り、キスされる。キス自体は大したことではないのだが、その後に繋がる行為が好きではなかった。猫のように啼く自分など知りたくなかったし、後ろに入れられただけで絶頂に達することができるなんて、一生知らなくても良かった。

だから、何とかしてキスを避けたいのだが、今のところ成功していない。
ドア近くになり突然走り出し、彼よりも先に部屋に入ることは成功したのだが、力任せに引き寄せようとした鎖の先には、にんまりと笑いドアの下にいる竜崎に逆に鎖を引き寄せられ、壁に押し付けられたまま抱かれた。別の日は、竜崎の足を払い、倒れたところで、引き摺ろうかと思ったが、殴り合いになり、その延長のように抱かれた。

そうして、朝も夜も見境なく抱かれるので、捜査に支障をきたし始め、朝は舌を入れないキスだけ、毎夜は行為をしない約束を取り付けた。竜崎を頷かせるのが大変だったが、父や松田さんに僕がやつれたのを連日指摘されたので、彼も約束するしかなかった。

それでも、ひいらぎの下でキスされることに関して、僕の意地っ張りの部分が竜崎の策に思うがままになるのが気に入らないらしいく、毎日何かしらの手を打っているのだが、勝率は芳しくない。

そして、迎えた25日。
ささやかなクリスマスディナーを食べ、通常より早めに捜査が終了した。いつものように寝室へと歩く僕と竜崎。

「まもなく寝室ですね」

ふにふにと唇を弄り、今日はどんな抵抗をするのかと匂わせる竜崎を無視して、寝室まで歩いた。そして、開いたドアの真下に立ち、隣に歩み寄る竜崎を待つ。

「月君?」

無表情の中にも訝しげな様子を無視して、僕からキスをする。
僕からだなんて、数える位しかしてこなかったから、驚きで固まる竜崎だったが、すぐさまキスの主導権を奪われる。僕のキスとは違い深く口付けられ、舌を取られる。甘く感じるのは、彼が食べていたケーキか、それ以外の所為なのか。

「・・・ふっ・・・ぁ・・」

抱き込まれ、形を変え始めた下肢が竜崎のものと触れた。

「貴方からのキスだなんて珍しいですね」

触れあった彼自身も熱くなっているのに、変わらない口調が憎らしい。

意地っ張りの虫がむずむずと動いたが、理由の付けられる今日くらいは素直に言ってやってもいい。もっともそれをストレートに受け入れる相手とは思わないが。

「クリスマスだからね」

間近にある顔に艶かに笑う。

「・・・・・・お返しをしなくてはいけませんね」

僕はベッドへと付いて行った。

「月君からクリスマスに1つプレゼントを頂いてしまいました」

散々喘がされぐったりとしていた僕を腕に抱え込んでいた竜崎が言う。

「マザーグースですね」

「え?」

「ご存知ありませんか?」と言って、低い声で歌ってくれる。

The first day of Christmas,
My true love sent to me,
A partridge in a pear tree.
(クリスマスの1日目
愛しい人からプレゼント
梨の木にヤマウズラ1羽)

The second day of Christmas,
My true love sent to me
Two turtle doves, and
A partridge in a pear tree.
(クリスマスの2日目
愛しい人からプレゼント
キジバト2羽と
梨の木にヤマウズラ1羽)

・・・

The twelfth day of Chritsmas,
My true love sent to me
Twelve lords a-leaping,
Eleven ladies dancing,
Ten pipers piping,
Nine drummers drumming,
Eight maids a-milking,
Seven swans a-swimming,
Six geese a-laying,
Five golden rings,
Four calling birds,
Three French hens,
Two turtle doves, and
A partridge in a pear tree.
(クリスマスの12日目
愛しい人からプレゼント
飛び跳ねる12人の貴族と
踊る11人の淑女と
笛吹き10人と
太鼓叩き9人と
ミルクを絞るメイド8人と
泳いでいる白鳥7羽と
卵を抱くガチョウ6羽と
金の指輪5つと
まっくろな小鳥4羽と
フランスのメンドリ3羽と
キジバト2羽と
梨の木にヤマウズラ1羽)

「この歌知らないから。日本じゃ25日過ぎたら、クリスマスは終了して年越しだから。そもそもお前のtrue loveじゃないから」

「照れなくてもいいですよ、月君。
6日に何を12個頂けるか楽しみにしてます」

キスなんてするんじゃなかったと、ベッドに連れ込まれて何度もした後悔を再びした。

END