~ 復しゅう ~

~ 敵がいなくなったら、復しゅうをどうしようか ~


机に背が高い男が座っている。部屋に黒い服を着た人が入って来る。

「サカキさま、失礼します。」

「知らせか?」

「捕まえました。」

「よろしい。見せろ。」


サカキはガラスのケースの中に静かに眠っているらしいモンスターを見ている。彼の科学者が作ったこの生物は面倒を起こすようになってきたんだ・・・

「サカキさま、低温室です。」と科学者が説明する。

「危険か?」

「超能力が器官を働かせていますが、この低温では脳の機能は数千倍遅れています。私達の生命に危険はありません。」

「よかった。」


暗い・・・寒い・・・

俺・・・誰?・・・どこにいる?・・・

思い出・・・現実か・・・幻か・・・わからない・・・

あいつらが来る・・・一人が討ってる・・・俺はバリアを作る・・・武器は無用・・・

俺の番・・・馬鹿者は滅びる・・・

あっ・・・あの機械・・・バリアは消える・・・討とうとするが・・・力はどこ?・・・

突かれている・・・あああ!・・・一生前に痛みを感じたことはない・・・

世界は消える・・・暗くなる・・・闇・・・静けさ・・・夢・・・

今度は・・・力を集めよう・・・監獄を砕こう・・・逃げる・・・復しゅうするぞ!


ケースは粉々に砕かれた。中にいた生物は寒いように感じた。自分のまわりにバリアをはって、自分自身を超能力で軽く攻撃した。攻撃のエネルギーは熱に変化した。

生物は立った。周囲を見渡した。暗い部屋の中で、他に誰もいなかった。低温室の原子力発電機が淡く光った。自分の息以外何も聞こえなかった。

超能力を使っても、外に動きを感じることができなかった。生命はいなかった。がれきしか何も感じなかった。彼はがれきの数メートル下に埋まっていた。

超能力の力を集中させた。爆発で上に穴が開いた。外へ空中浮揚して、探検に行くことにした。
東西南北・・・どこでも滅びた文明の残りしか見えなかった。

とうとう空き地が見つかった。誰かがわざわざがれきを取り払った。空き地の中央に石で作った看板があった。読んだ。

「2601年である。世界は再びどんよくで支配されている。世界中で戦争が起こった。今回の武器は以前よりも大変強力である。世界は死んでいく。人間も動物も植物も。神様、許るしてください。」

こんな知らせでびっくりした。早速計画的に世界各地へテレポートして行った。一日かかったが、真実を発見した。独りだった。

人間は彼を作った。搾取した。悪用した。そして今、人間は彼のたった一つの慰めも取り上げた。すなわち、復しゅう出来ること。

彼は怒った。あちらこちらで攻撃した。でも、だめだった。目的がなくなったから、気分が沈んだ。食物がなかったから、失望した。

そこで答えを思い付いた。復しゅうの方法はまだ他にもある。彼の生存は人間の功名だった。けれども、こんなにも悪質でいやな種族である人間はそんな表明に値しなかった。

彼は自分自身を超能力のバリアに包んだ。前と同じように自分自身を攻撃した。でも、今度は力を全部使った。

痛んでいた。痛みに慣れていなかったので苦しかった。でも、長くはもたなかった。

二・三秒の間にミュウツーは存在しくなかった。