これは私には初めての日本語で書いたファン小説です ;; 実は私の自国語は日本語じゃありませんので 多分誤りとか文章はちょっと変な感じがするところもあるかもしれません。 すみません! しかしこの小説はみじかいのに本当にがんばりましたから、 どうぞよろしくおねがいします!
苦は楽の種
お月さまが夜空に高くまぶしく輝き、 空気二はこまかい霧がつるされている。 あの日には雨がふっていたが今は全くしずかで世界が止まったみたいに雨でも何もふっていない。
冷たい風がふいて来る。
お月さまの影に一人が立ち止まっている。 でかい巨石の前に手合わせ、 目が閉じている。 目の前にある物は全然見えないが心の中に彼の姿がはっきりと見える。
彼が死んでから毎週に一回彼女がこのところにくる。あの時から一年が立っている。 忍びのくせに心が苦しんで悲しくしずかに泣いている。 失った愛の苦しみが潜めるが、 消せる訳は無い。
「ぜんぜんない」とささいて来るけれど彼女の声か風か気づけない。
そのままでしばらくいて、 しずかに夜の音を聞く。 柔らかく、 穏やかに。
そして後ろに足音が聞こえる。 ゆっくりと彼女が回り、 アカデミー学生くらいの年齢の男の子が近づいて来るのを見る。 その子は彼女を気づくと止まる。
「あ、 すまん、 ねえちゃん。 だれもいないと思ったコレ…」
彼女は少し微笑み、 あまり動かない。 男の子は帰りたそうなのに彼も動かない。
「いいの。 君はじゃましてないの」 頭を振り、 また巨石を見に戻る。 男の子はまだ帰らない。
「君も大切な人に会いに来たの?」
男の子は自分の手を見つめる。 「そんなことねぇ。 もう会えないんだコレ」
彼女は目を閉じ、 手を伸ばす。 そして見ずに巨石に書いてある死んでしまった恋人の名前を探す。 もうすぐ白い指先は巨石に彫刻してある名前にさっと触れる。 音は出ないが、 唇はその名前を離すように動く。
『月光ハヤテ…』
「生 きてても…死んでても…大切な人に会えないって言うことはないわよ」 彼女の声はささやかなのにはっきりと聞こえる。 「体はもう触れないのに、 魂も心 もこのところに残ってるんだ。 だから私が毎週ここに来るんだわ。 もう顔が見えないが、 彼を感じるわ。 そして、 たまに一生懸命聞こうとしたら、 彼の風に乗る声が聞こえる」
男の子は畏敬の念でしずかにそのお姉さんを見、 そして彼女のそばまで歩く。 「それホントに信じてんの、 ねえちゃん?」
彼女はまだ目覚めない。 「信じなければ私が絶対に割れるのよ」 声は悲しくて少しゆれてしまうのに強く言う。 男の子は巨石を見、 ひざまずいて行く。
「だからじじはホントにまだここにいるコレ?」
彼女は目覚め、 そばにいる子を見る。 「…そう。 おじいさんはずっとここにいるわよ。」
暗澹の顔で男の子も手を伸ばす。 彼女は見ながら彼は自分の大切の人の名前を探す。 それで指先で彫刻してある名前を見つけ、 くすんとする。 「じじ…」
彼 女はこの子を見つめる。 触れている名前は三代目火影さまの名前だ。 ゆっくりとやさしく彼女は男の子のかたを触れ、 暖かくしずかな言葉で宥める。 そのままで暁まで残り、 大切な人を失ってしまった二人は悲しみを担う。 そしてお日様が山の後ろから出ると、 肩の荷が下りる。
