免責事項:『ワンピース』は尾田栄一郎先生の作品です。わたしのではありません。

「ゾロ」

「あん?」

ルフィがニコニコしながらほっぺに指を当てた。「ここ、キスほしいな~!」

そのあと、ルフィはとんでもないほどの距離でぶっ飛ばされた。でもゴムゴムの実の能力で伸びた腕はメリー号をつかんで安全な場所へ戻った。いそいでまたゾロが昼寝している場所へ走り、ぷんぷんと怒った。顔にはゾロにこぶしの跡がくっきり残っている。

「なにするんだよ!海に落ちるじゃねぇか!」

「うるせぇ!てめぇが変な事を言うからだろう!」

「んにゃ?おれなんか変なこと言ったけ?」

「てめぇさっきおれにキスしろ、と言ったろ?」

「うん。言った」ルフィが大きな笑顔を作った、「だから、キスしろよゾロ~」

「断る」

「ええー!なんで?」

「『何で?』じゃねぇだろうこのアホが!みんなに見られるぞ!おれたちは今お外にいるんだぞ!」

ルフィが突然暗くなった。まるで明るい太陽が雲で隠れたようだった。目から涙がポロっと落ちかけていた。「ゾロはおれのことが嫌い?」

「きっっきらいじゃねぇよ・・・」ゾロの声が小さくなってゆく。目線をそれていたけど、ゾロの顔はうっすらと赤くなっていた。じつはルフィとゾロは恋人同士だった。仲間に知られないように、二人は秘密にしていたのだ。でも、最近ルフィはやたらとお外でキスをしたがり、テーブルの下でこっそりと手をつないだりしたがる。ゾロは内心ルフィの願いに従いたい、でもみんなの反応が怖い。でもルフィが大好き。

「じゃ、キス」

ゾロはやっと承知したけど、なんかそわそわしてた。

「・・・・・・ここでか?」

「うん」

「マ、マジかよ・・・」

ルフィがニコっと笑った。「大丈夫だよゾロ!さっきな、みんなキッチンでカードゲームをしてたんだ。誰も見てないよ!」

「・・・じゃほっぺだけだよ」

「やった!」ルフィがゾロに近づいた。「ここ、ここでな!」

「わかった、わかった」ゾロはため息をつき、ルフィに近寄った。目をつぶって、自分の唇をそっとルフィのほっぺに当てた。ルフィはもうメロメロ状態になりながらキスを受け止めた。お互い赤面になって離れた。

「ししし、ゾロかわいい~!」

「ああ、うるせぇな!もうあっち行ってろ!」

「・・・・ゾロ」

「今度は何?」

「ここでさ、」ルフィがなんか変に興奮していた「エ、エッチ・・・」今度こそ本当に海に落ちそうになった。

「いい加減にしろてめぇ!」

この光景を眺めていた航海士と考古学者と狙撃手と船医とコックがいた。

「やった!やっとキスしたわよ!やっぱり二人はデキてたのね!」

「ふふふ、仲がいいわね」

「ほんとう。もう、隠さなくてもいいのにね、ウブなんだから」

「へぇ、おれあんな顔をするゾロ初めて見たぜ」

「お、おれも」

「・・・ルフィは『攻め』なんだ・・・なんか・・・以外」

「そう?あたしは好きよ」

「ゾロは『受け』にはペッタリなイメージだよな」

「う、『受け』てなんだ?」

「まぁ、いずれわかるさチョッパー」

―心配なさそうですね・・・

終わり