キスまで最短一光年

「レイ。おりいって… 御相談願いたいことがあるんでございますが。」
「なんだ、そのしゃべり方」
「とにかく、となかい、あなたにちょっとした御頼みごとがあるんで物申したり?」
「・・・・・・おやすみ」
「うわあぁんっごめ、待ってレイ!!ホントにマジでお願いしたいことがあるんだって!」

わけのわからないシンにあきれたレイはさっさと布団にもぐってしまおうとしたが、
寸前のところでシンに布団を剥ぎ取られてしまった。
仕方がなく、レイはシンの申し出をきくことにした。

「・・・で、なんだ?」
「・・・レイ。きいて驚くな。きいて驚け。」
「どっちなんだ」
「とにかくきいてくれ。」
「・・・だからなんだと言ってるだろう。」

煮えきれないシンの態度に、
さすがのレイも苛立ちを覚えずにはいられなかった。
出来ることなら、ここでシンを殴り倒そうかとも思ったが、
レイにそんなことが出来る筈もない。

「実は・・・あの・・・」
「・・・・・・言いたいことを簡潔10字以内で言え。」
「配点は?」
「5点。誤字脱字については1点減点だ」
「あ、それじゃ・・・・・・と・・・を・・・・・したい・・・」
「は?」

どもるシンの言葉がききとれなかったレイは、
シンに耳を傾けて、もう一度、と促す。
するとシンは顔を真っ赤にしながら大声で怒鳴る。

「レイとえっちしたいっ!」
「え・・・っ・・・・・・っち・・・」
「だってぇ~オレたち恋人同士じゃん~ちゅーだってしたじゃん?
だったら、次のステップ踏んでもいいじゃん~っていうかあ・・・
なあ、いいだろ~?オレ、したことないんだもんっ」
「・・・・・・・・・・・・・だ、ろ・・・ッ」
「え?なあに?」
「んなことできるわけないだろうがぁあぁぁあああ!!」
「ぎゃひぃぃぃぃぃっ」

シンの唐突なとんでもない提案に、
レイの頭の中で何かがちょん切れた。
シンの頬を平手で思いっきりぶっぱなったレイは、
駆け足で部屋を出ていってしまった。

「あ、待ってよ、レイ~!!」
「つ、つつつついてくんな、バカ!!」
「ぶにゃんっ」

レイを追いかけて、レイの腰にしがみついたのはよかったが、
顔面をレイの肘で殴られて、思わず床にぶっ倒れる。

鼻からは・・・美しい紅の鼻血が出ていた。

「うわーんっえっちくらいいいだろー!? しようよーレイってばあっ!!」
「黙れ、ホモッ」
「なんだよっレイだってバリバリのホモだろ!?」
「オレはホモじゃないっ!!」
「うっそだあっだって19話で議長にるんるん乙女で飛びついたじゃんっ
それに、オレのスケならホモに決まってんじゃんっ」
「ちょっと!!あんたら廊下でなんつー会話をしてんのよっ」

廊下でとんでもないことで口論していたシンとレイは、
形相を変えたルナマリアに渇を入れられた。
あたりを見渡せば、クルーが大勢集まっている。
もちろん、会話も聞かれていたのだから、
シンとレイが恋人同士であるという事実が、ほとんどのクルーにバレてしまった。

「ぁ・・・」
「そういうプライベートな会話なら部屋でしてよっ
なんなのよ、あんたらっ喧嘩の原因はなんなのっ!?」
「だってシンの命令無視のスペシャリストラッキーウルトラオープンホモスケベがっ」
「だってレイの議長大好きパツキン巻き髪メーテルデリシャスホモビューティーがっ」
「いつの時代の小学生よ、あんたら」

ルナマリアは、あきれた様子で頭を掻く。
周りに集まっていたクルーたちもおかしそうにくすくす笑っている。
シンとレイのあまりにも子供じみたやりとりに、
ルナは「部屋に戻ってちゃんと決着つけなさいよ」と促して、
部屋に戻らせる。

「あぁ、もう。なんであたしこんなんといっしょの艦にいるのかしら・・・」

ルナの深い溜め息にシンとレイはもちろん気づく筈もない。
そして、レイのヴァージンの行方と、
シンのチェリーボーイ卒業の事実はまだ伝えられていない・・・。

あとがき

ああ・・・とってもすいません・・・。
とっても気分がハイの時に書いたものですから・・・こんなんになってしまいました。
こんなキャラ爆発なパロも大好きなんです。(壊すのにもほどがある)