part 3 酒屋さん

半年の間に心臓麻痺で死んだ犯罪者の数は7人。

最初の一件を除いて、毎月28日に殺されている。日付の合わない最初の一件は、能力を得た今回のキラが殺人ノートの効力を試したのだろう。そして、特定の日付で犯行が行われているのは意味がある。

28日と言うのは、オリジナルキラが最初の裁き-殺人を犯したと思われる日付だからだ。無差別に殺人を犯した通り魔が保育園に立てこもり、急に胸を押さえ心臓麻痺でそのまま死亡。同日、ある店の側を歩いていた女性が、数人のたちの悪い男に絡まれた。無理やり女性を誘ったリーダー格の男が、トラックにはねられ死亡。二件目の被害者は単なる事故死と片付けられたが、その現場が高校生だった月が通った塾の帰り道にあるのは偶然ではないとみている。

そして、キラがメディアに毎日の様に取り上げられた当時、かなりの数の特番が組まれ、独自に調査された。二件目はともかく、通り魔が保育園に子供と保育士を人質に立てこもった最中に心臓麻痺で死んだ事件は、もちろん番組でも取り上げられ、警察から正式な発表がないにも関わらず、キラによる犯罪史の最初を飾る事件であったと統一の認識に至った。以降、火口が逮捕されるまでキラの裁きは続く。

そして、現在。再び発生したキラによる殺人。今のところ、被害者は日本国内で収まっているが、その事が今回のキラも日本人だと言うことにはならない。

いつものスタイルで推理しながら、眼の前のケーキを大きく切り取り口に運ぶ。

「竜崎、来ました」

沈黙が満ちた部屋に突然響いたワタリの声。それとともに、竜崎の傍らに置いてあったサブ端末のモニターがエレベーター内の映像に切り替わる。約束の人物は、指定した時刻通りに現れたようだ。扉の前まで辿りついた人影にマイクをオンにした。

「鍵は開けてあります。どうぞ中へ」

私が居るリビングの空気が動く。身に纏った外気が滅多に外に出ない私に、この国の冬の気配を伝えた。

「遠い所、ご足労をお掛けしました。キッチンにカップがありますので、飲むなら勝手にどうそ」

ケーキに添えられた紅茶のポッドを視線で示した。

「社交辞令は結構です。早く済ませましょう。約束のものを・・・」

コートを着たままの男が机を挟んで対面のソファーに座る。ポケットから無造作に取り出した記憶メディアを、差し出された掌の上に置いた。掌に充分収まるサイズだが容量は莫大で、私が約束した物が全て納められていた。

「オリジナルかと聞くまでもありませんね?」

メディアを逃さないように掌で包む。それもそうだろう。中のものが漏れれば、彼はかなり長い期間を刑務所で不自由に過ごす事になる。

「えぇ。存在するのはそれだけで、コピーはありません」

「これで私は貴方に弱みは無い」

「いずれ仕事を依頼することがあるかもしれません」

「その時は報酬を弾んでください」

軽口を残しソファーから立ち上がった男が、用は済んだとばかりに扉に向かう。

「もう帰るのですか?月くんに逢っていかないのですか?」

横目で見た金髪の男は自嘲気味に笑った。

「逢えると、思うのですか?」

短い会話の間、モニターの中の映像に変化があったのを、男が座った位置からは知る事が出来ない。エレベーターは上昇を始めた。

きっちりと図ったようなケーキの三角をフォークで崩す。だが、そのフォークを口に運ぶのでもなく、ただ手遊びにクリームに塗れたスポンジを皿に散らすだけ。

男がソファーから立ち上がり、リビングを出るところで、がちゃりと扉の開く音。それに気づいたアイバーが弾かれるように廊下の先にある扉を見た。そこに立つ人物もきっと認めたことだろう。

モニターやアイバーを見ずとも現状は私が予想した通りだった。

「・・・アイバー?」

「L、あなたは・・・」

月が定時に退庁し、そのまま帰宅するかは半ば賭けだった。だが、その賭けに私は勝ったようだ。皿に散乱したスポンジを串刺しにする私に、アイバーから非難する視線が向けられた。

「ライト・・・」

その先の言葉を見つけられない詐欺師。月の足音が徐々にはっきりし、私たちがいるリビングへ入ってきたようだ。

そうして、視界の端に入ったのは対面したアイバーと月。月の手がアイバーの腕に触れた。

「いつ、日本に来たの?知らせてくれれば、食事にでも誘ったのに」

「・・・怒らないのか?」

「どうして?そんな必要がある?」

月が戻らぬ間に済ませようとした密談がどんなものか分からないはずが無いだろうに。

「ライトに知れたら、私は殴られて二度と顔を見せるなと・・・、そう言われるだろうと覚悟していたんだが・・・」

「なんだ、そんなこと。貴方は詐欺師だもの。詐欺師は騙すものでしょ」

軽やかに笑う月。再会してから初めて聞く彼の笑い声。記憶のままの、胸の奥をざわざわと騒がせる音。

「それに、分かってた。以前の僕と貴方は、わざわざ異国の地で再会を果たそうとする程、親しかったわけじゃない。だから、何かあるって疑っていたよ」

降参だと手をあげたアイバーに、月の笑い声が深まった。

*** *** ***

視線の先のキッチンでは、アイバーと月が並んで料理をしている。一般家庭よりも広いキッチンだが、男二人が動くにはさすがに窮屈を感じさせる。けれど、その中で動き回りスムーズに料理を仕上げていく彼らに、こんな風に二人で料理を作るのが慣れた事だと私に伝えた。

煮立つまで、焼けるまで、料理の待ち時間をワインを片手に軽い談笑。そして、蓋を取り蒸気が一斉に昇った鍋をかき混ぜるアイバーの肩に手を置き、月も中を覗き込む。差し出された味見を雛の様に自然に受け取り、月が笑い掛ける。アイバーが相手なら容易に表情が変わった。

「L、貴方も食べますか?」

アイバーの影に立つ月を見た。フライパンを動かし、香ばしい匂いをさせていた。俯き加減の彼から表情は伺えないが、わずかに雰囲気が強張ったのが分かった。

「・・・頂きます」

だが、その言葉を後悔したくなるような食卓だった。普通の食事も食べられるようになっていたので、二人の作った料理の美味しさは分かったのだが、アイバーと月の会話には全くの部外者だった。二人の会話を聞くとはなしに聞きながら、私は月を観察していた。

以前の面立ちとは異なり、少年時代の幼さが消えた青年の顔。自信に溢れ、男性的な美しさを周囲に放つ。ワインの酔いでいっそう濃くなった、手を出さずには居られない月の魅惑。日本にいた時も、フランスでアイバーが居た時でも他の誰かの存在があったのは当然なのかもしれない。

そうして、疎外感が際立った食事が済み、片付けも終えた後、当然の様に月の部屋に消えた二人。私は月の部屋からこれから聞こえるだろう音をシャットアウトするように事件に没頭した。

仮の住まいだからと最低限の快適さを求めた部屋には、ベッドと机に備えられた椅子しかなかった。

「ごめん。ベッドにでも座って」

アイバーの手からワインのボトルを受け取り、ベッドサイドに置いた。明日も仕事だからこれ以上は飲まない方がいいだろう。お終いにする前に、もう一口グラスに口をつけ、グラスを置いた。

「ライト、おいで」

ベッドに座ったアイバーが両手を広げて僕を呼ぶ。迎え入れてくれた腕の中に入って、彼の膝の上に腰を落とした。現役の警察官である僕よりも逞しい体。彼の肩に顔を埋め、慣れたコロンの香りに包まれる。

抱き締めてくれる確かな腕に、日本に戻って以来ずっと張り詰めていた力を抜く事が出来た。思わず溜息が漏れていた。

「大丈夫か?」

「うん・・・」

ゆっくりと背を撫でてくれる大きな手。その心地よさを目を瞑って堪能した。

「ライト?」

「うん・・・」

「話しておきたい事がある。あぁ、そのままでいい」

身体を起こそうとした僕を抱きなおして、アイバーが語る言葉を聴いていた。

「最初は確かにLに依頼されたんだが、ライトと暮らした時間は楽しかった。好きだと言ったのも本心だ。ライトは信じなかったがね」

「気を使わなくていいよ、アイバー。そんな台詞はいらない。詐欺の常套句でしょ」

笑った僕の頭にキスをするアイバー。

「まぁ、そう反応するだろうと思ったよ」

仕方なさそうに話す声に苦いものが混ざっているのを気づかない振りをした。ずるいかもしれないが、自分を守ることを覚えた結果だ。

顎を取られ唇を合わせられる。舌に残っていたワインの味はアイバーに拭われた。

「ふ、は、・・・あっ、アイバー」

深まっていくキスの合間に、シャツの下に手が差し入れられ、服の上から後孔を探られる。だが、僕はアイバーの肩に手を置き、距離を取った。

「すみません、そんな気には・・・」

「いいさ。俺も悪かった」

もう一度緩く抱かれ、額に宥める様なキスをされた。

しばらくそうしていた後、絡みを解いて就寝の準備をした。ベッドに入っても僕には眠りが訪れなかった。

*** *** *** *** ***

竜崎の部屋があるにも関わらず、そこで寝たのは共同生活が始まった後の数日だけ。なぜ僕の部屋に来るんだと聞けば、必ず理由になっていない言い訳が帰ってくる。

「部屋が汚れてます」

掃除しろ。

「寒いんです」

設定温度を変えろ。

「寂しいんです」

本気で子供か?

「この間までベッドを共にしてたじゃないですか」

手錠で繋がれていたから仕方なくだ!

言い争っても、最後にはきっちりと僕のベッドに潜り込んで隣をキープしてくる。せめてもの抵抗で、彼に背を向けて眠るけれど、するりと腕が背後から回ってくる。それに文句を言ってものらりくらりとかわされ、眠りに落ちる頃には腕の重みが心地良くなってしまって。

そうして大人しく眠ることもあるけれど、それだけではない時もある。

竜崎が何歳か知らないが、外見から見て僕と大きく歳が離れているわけじゃないだろう。竜崎は彼なりにだが、健康で若い男が性的に何もしないままで長期間済ます事は出来ない。負けず嫌いが高じた触り合いが僕達の間にはあった。

その日もするりと伸ばされた腕が腰ではなく僕の下腹に向かうのに気づいて、僕は身体を反転させた。なるべく竜崎の顔を見ないようにして、彼のジーンズに手を掛ける。飛び出してくる彼の成長したものに手を絡めて擦り上げた。それは竜崎も同じはずだった。

けれど、僕に絡む手とは別に、腰に置かれていた手が後に回った。くいっと指先が予想もしていなかった場所を押した。

「なっ・・・!?」

「前立腺ってご存知ですか?」

驚いた声を無視して話し続ける竜崎。

「男性のみに存在する生殖器で、この奥にあります。主な働きとしては前立腺液の分泌ですが、性的快感を得られる性感帯でもあります。これまで触れたことは?」

「ある訳・・・、うわっ!」

いつの間にか纏った濡れたもので指が滑り、後口を潜る。

「や、だ!竜崎、やめろ・・・。痛、い・・・」

狭い入り口をこじ開け、奥へと侵入する指に器官が排除しにかかる。竜崎の指が動くたびに激痛が走って涙が滲んだ。

「潤滑剤を使用したので、月くんさえ力を抜いてくれれば入ります」

「無理・・・。抜け、って・・・」

罵声を浴びせてやりたいが、腹筋を使うような声を出すと中に響く。切れ切れの細い声しか出せないのが悔しかった。

「月くんを気持ち良くさせたいだけです」

「いらな・・・。んっ、あぁ!」

痛いだけの感覚が、突然一気に塗りつぶされた。身体がびくっと大きく震えた。

「あぁ、ありましたね。月くんのはここですか・・・」

「あ、あ、あ!」

ぶわーと全身の毛穴が開くような快感が駆け巡り、そこから体中に痺れが広がる。先ほどまで身体を支配していた激痛が嘘のようだった。

「りゅ、・・・んん、あ、っは・・・」

自分の身体なのに思うようにならず、どこに行ってしまうか分からない不安に竜崎の腕を握った。その手が取られて、竜崎の肩に回される。

「んんっ、あ、ああ・・・」

「気持ちいいですか?」

霞む視界の中で黒い瞳に覗き込まれたのが分かって、こくりと頭を動かした。意地を張るのも忘れていた。瞳に溜まっていた涙が頬に零れた。

「月くん・・・」

後に触れている腕が僕の体を引き寄せた。動きが止まっていた前に回っていた手も蠢き始め、僕は身体を痙攣させて竜崎の手の中に吐き出した。

何かが身体に触れている。その感覚に意識が浮上した。

いつの間にか閉じていたらしい目を開けると、上半身が裸の竜崎が僕の横にいた。

「竜崎?」

風邪の時のような掠れた声が僕の口から発せられた。

「起きましたか」

「何してるの?」

「貴方が不快に感じるだろうと思いまして・・・」

ベッドに横たわる僕にちらりと視線を向けるけれど、またすぐに手を動かす。何か触れていると思ったのは竜崎のシャツだった。

不快?何が?そう不思議に思った途端、何があったのか思い出した。竜崎に晒した痴態に熱が上がる。一度吐き出しただけでは飽き足らず、あの後竜崎の手が促すまま何度も快感で喘ぎ、絶頂を吐き出した。そこを触れられるだけで、自分の意思には関係なく勃ち上がる器官が疎ましかった。

「月くん?」

身を屈め、僕を覗き込んだ竜崎の身体を突き飛ばした。ベッドから落ちる竜崎。急に動いた僕も無傷では済まなかった。腰が引き攣れるように痛い。

「何するんですか・・・」

落とされた床から身体を起こして、竜崎が恨めしげに見上げてくる。

「それはこっちの台詞だ!出てけ」

「嫌です。ちゃんと気持ち良くさせてあげたじゃないですか?月くんだって何度も悦んで・・・。っと・・・!」

嫌らしい笑みを浮かべて、しゃあしゃあと話す竜崎に最後まで言わせなかった。枕を掴んで投げたけど、あっさり避けられる。

「っ・・・」

腰の痛みがひどくて、僕は遂にシーツに倒れ込み痛みに呻いた。

「大丈夫ですか?」

再びベッドに乗り上げた竜崎のひんやりした手が腰を撫でる。

「誰の所為だと思って・・・」

体勢を整えられ、床に落ちた枕も頭の下に入れられて、シーツを引き上げられる。動けないのをいい事に、当然の様に僕の隣で横たわる竜崎。いつものように腕が僕に回された。その腕だけは嫌じゃなかった。

まだ眠っていないのは呼吸で分かる。

「竜崎、どうして急にあんなこと・・・。したいなら、手錠もはずれたんだし好きなように出来るだろ」

24時間傍に居られ、プライベートなんてない時とは違う。僕が大学に行っている間など、彼が望むならいくらでも時間はあった。

「そう言うんじゃないんです。ただ・・・」

「ただ?」

「・・・いえ、何でもないです。おやすみなさい、月くん」

「・・・おやすみ」

会話を一方的に打ち切り、これ以上の話を拒否する竜崎に、僕は仕方なく目を閉じた。

*** *** *** *** ***

私はリビングのソファーに座り、資料を眺めていた。

つけたままのテレビでは、ある種の討論番組が流れている。いつまでも報道機関が規制に従うはずがなく、キラ復活のニュースをそれぞれのスタンスで流し始めた。

番組は完全にキラ寄りのようで、討論という形をとりながらもキラへの崇拝を隠そうとしない。放送局がさくらTVではそれも当然か。画面の中では、黒いシャツの男がマイクを向けられ、キラへ感謝を述べていた。

画面を眺めていた視界の端で変化があった。月の部屋から漏れていた明かりが消えた。私は資料を捲る手を早めた。

かつて私が隣を占めた月のベッドが、今はアイバーのものになった。

そこで月が私の名を呼んだ声は、歳を経てもまだ耳に残っている。

*** *** *** *** ***

本部で本日の捜査を終え、部屋に戻ると月がいなかった。いつも私が部屋に戻る頃には、月はキッチンで忙しくしているはずだった。大学を出て部屋に帰ったは確認済みだったので、彼の部屋に忍び込むと本を手にベッドで眠る月を見つけた。窓から差し込むこの陽気なら眠くもなるだろう。

ベッドの傍に立ち、月を見下ろす。手を伸ばし、指先が暖かな頬に触れた。

「ん・・・。竜、崎・・・?」

ふるりと目蓋が震えて、下から琥珀色の瞳が現れた。

「僕、寝ちゃったのか。ごめん、今、食事を・・・」

眠気を振り払い月がベッドから降りる。部屋を出てキッチンに向かおうとする彼の身体を掴んで戻し、ベッドの端に座らせた。私は床に座り、月の腰を抱いて膝に顔を埋めた。

「竜崎?」

戸惑った月の声が聞こえる。私は返事をせずに、月の暖かさに浸った。戸惑った手が髪に差し入れられ、おずおずと撫でられた。

「・・・どうかしたのか?」

見慣れない私の姿に、気遣うように囁く。私はただ月の腰を抱く腕を強めた。

「痛いよ、竜崎」

それでも髪を撫でる手が止まないから、私は月のズボンを開いた。それまで、ただ抱きついていた私の突然の変化に驚き、頭上で月が私の名前を呼んだ。セクシャルな行為は初めてではないのに、普段の私ではないのを感じた月がどこか戸惑いや気遣いを残して、本気ではない抵抗をみせた。

だから、私は簡単にその抵抗を封じて、月の身体から下着ごと剥がした服を背後に投げ捨てた。まだ力を持たない月のものを掴んで、口に含んだ。

「竜崎!」

焦った彼の声。彼のものを手で触れた事はあっても口に含んだことはなかったから。

額を力いっぱい押され、ずるりと彼が口から離れてしまう。前髪の間から見上げた月の表情は、羞恥より戸惑いの方が大きかった。

「何のつもりだ・・・」

「尺八、フェラチオ、サッキング、ブロウジョブ、どれでもいいですが、要は月くんを舐めるつもりです」

シャツの裾を両手で引き降ろし、せっかく晒した彼のものを隠された。

「止めろ、竜崎。もう、遊びじゃ済まなくなる・・・。今ならまだ過ぎた遊びでいられるから」

月の手を取り体の両脇に縫いとめた。

「遊びじゃありません。月くんが好きです」

私の言葉に驚き、見開かれる瞳。その顔が他の表情に変化する前に、強引に月の頭を引き寄せて唇を合わせた。

「嫌だったら、本気で抵抗して下さい」

額が触れ合う距離で、縁の赤くなった月の瞳を覗き込んで決定を伝えた。

シャツの裾に隠れた月を探し出し、口に含み舌を絡める。徐々に口の中で彼が固く大きくなり、やがて押し殺した喘ぎが聞こえた。竜崎、竜崎、と繰り返し甘く苦しく囁かれる。終いには、月は私の頭を抱えて、絶頂を吐き出した。

そして、その日、初めて月と繋がった。彼の抵抗は最後まで無かった。